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マンション売却でかかる「住民税」の仕組みと計算方法

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目次

数年前に購入したマンションの価格が上がっていそうだと、「売ったら住民税はいくら増えるのか」「いつ請求されるのか」が気になります。ポイントは、利益(譲渡所得)が出たときだけ課税されること、所有期間によって税率が変わること、そしてマイホーム向けの特例を使うと税負担をかなり抑えられる場合があることです。この記事ではマンション売却時の住民税の仕組みと計算、支払い時期、活用できる特例をコンパクトにまとめます。

参照元:国税庁「土地や建物を売ったとき」(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_3.htm)

マンション売却で住民税がかかる仕組み

「譲渡所得」がプラスのときだけ住民税がかかる

マンションを売ったときに見るべき数字は「譲渡所得」です。ざっくり言うと「売却で本当にもうかった部分」で、次の式で求めます。

譲渡所得 = 売却代金 −(取得費 + 譲渡費用) − 特別控除額

取得費は購入価格と購入時の諸費用(仲介手数料、登記費用、司法書士報酬など)を合計したもの、譲渡費用は売却時の仲介手数料や測量費、契約書の印紙税などです。ここからマイホームなら「居住用財産の3,000万円特別控除」などを差し引きます。

この結果がプラスなら所得税・住民税の対象、マイナスならその売却については税金はかかりません。オーバーローンで売却損が出るケースも、譲渡所得がマイナスなのでマンション売却そのものに対する住民税はかからない、という整理になります。

参照元:国税庁「No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3202.htm)

短期か長期かで住民税率が変わる(2025年時点の一般的水準)

譲渡所得がプラスになった場合、所有期間によって税率が変わります。判定は「売却した年の1月1日時点の所有期間」で行い、5年以下なら短期、5年超なら長期です。

2025年時点の一般的な水準では、多くの自治体で、長期譲渡所得に対する個人住民税の所得割率はおおむね5%前後、短期譲渡所得はおおむね9%前後です(都道府県民税と市区町村民税の合計の“所得割”部分)。実際には自治体ごとの条例や年度によってわずかに差があり、均等割や各種特例を含めた最終的な住民税額はこの数字と完全には一致しないため、「5%」「9%」はあくまで目安として考えるのが安全です。

同じ利益でも、短期か長期かで住民税の負担感はかなり変わります。読者像のように3〜6年前に購入しているケースだと、「売却予定年の1月1日に5年を超えているかどうか」が重要な境目になります。

参照元:国税庁「No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3202.htm)

参照元:多摩市「分離課税(土地・建物等の譲渡所得)」(https://www.city.tama.lg.jp/kurashi/zei/kojin/1001843.html)

マンション売却の住民税をざっくり計算する手順

ステップ1:数字をそろえて譲渡所得を出す

最初に、購入時と売却時の書類から必要な数字を拾います。購入時の売買契約書や精算書から「購入価格」と「購入時の諸費用」を、売却時の契約書や仲介会社の精算書から「売却価格」と「売却時の諸費用(仲介手数料など)」をメモします。

これを使って、まず「譲渡所得のベース」を出します。

譲渡所得のベース = 売却代金 −(取得費 + 譲渡費用)

ここまでで、「税金計算の出発点となるもうかり分の概算」がつかめます。

参照元:国税庁「土地や建物を売ったとき」(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_3.htm)

ステップ2:3,000万円特別控除を差し引く

売却したマンションがマイホームの条件を満たしていれば、「居住用財産の3,000万円特別控除」を使える可能性があります。この特例を使える場合、譲渡所得から最大3,000万円を差し引けます。

譲渡所得のベースが2,000万円なら、3,000万円控除を差し引くと0となり、その売却については所得税・住民税ともにかからないイメージです。ベースが4,000万円なら、控除後は1,000万円となり、この1,000万円が「課税される譲渡所得」の目安になります。

控除後の金額が0以下なら、その売却については税金が発生しない可能性が高く、プラスが残る場合には、そのプラス部分に対して税率をかけていく流れになります。

参照元:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm)

ステップ3:短期か長期かを確認して「目安の住民税」を出す

最後に、「売却した年の1月1日時点で5年を超えているかどうか」をカレンダーで確認し、長期か短期かを判断します。そのうえで、あくまで概算として、次のように住民税の所得割部分の目安を計算できます。

長期譲渡所得なら、課税譲渡所得 × おおむね5%前後 短期譲渡所得なら、課税譲渡所得 × おおむね9%前後

例えば、3,000万円控除を差し引いたあとに課税譲渡所得が1,000万円残り、所有期間が5年超なら、住民税の所得割部分の目安は約50万円になります。5年以下で短期に該当すると約90万円となり、同じ利益でも負担感が変わることがイメージできます。

実際の住民税は、ここに均等割(一定額)が足されたり、自治体ごとの細かな税率の違いや他の控除、10年超所有の軽減税率などの影響を受けたりします。そのため、ここで出した金額は「オーダー感をつかむための目安」として使い、正確な金額は自治体のシミュレーションや税務署・税理士への相談で確認するのが確実です。

参照元:国税庁「No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3202.htm)

参照元:多摩市「分離課税(土地・建物等の譲渡所得)」(https://www.city.tama.lg.jp/kurashi/zei/kojin/1001843.html)

住民税はいつ・どう払うか

売却の翌年に確定申告→さらに翌年度の住民税に反映

マンション売却で利益が出た年の翌年2〜3月に、所得税・復興特別所得税の確定申告を行います。不動産の譲渡所得もこの中で申告します。紙の申告書でもe-Taxでも構いません。

確定申告の内容は税務署から市区町村にデータ連携され、その情報をもとに翌年度分の住民税が計算されます。例えば2025年に売却した場合は、2026年2〜3月に申告を行い、その内容をもとに2026年度分(2026年6月〜2027年5月頃)の住民税にマンション売却分が上乗せされるイメージです。

参照元:国税庁「土地や建物を売ったとき」(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_3.htm)

特別徴収か普通徴収かでキャッシュフローが変わる

会社員で給与から住民税が天引きされている方は、通常「特別徴収」となり、マンション売却分も含めた住民税額が翌年6月以降の給与から分割で引かれます。手取りが一時的に減るため、売却代金の中からあらかじめ税金分の資金を確保しておくと安心です。

自営業や退職後などの場合は、市区町村から届く納付書や口座振替で年数回に分けて自分で払う「普通徴収」となることもあります。どちらの方法になるか、普通徴収を選べるかどうかは自治体によって運用が異なるため、不安があれば事前に市区町村の税務窓口に確認しておくと、翌年の資金計画が立てやすくなります。

参照元:多摩市「個人住民税(市民税・都民税)の概要・納税義務者等」(https://www.city.tama.lg.jp/kurashi/zei/kojin/1001838.html)

住民税を抑えるために使える主な特例

3,000万円特別控除がまず最重要

居住用マンションを売却する場合、もっともインパクトが大きいのが「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除」です。条件を満たせば所有期間に関係なく使え、譲渡所得から最大3,000万円差し引けます。

譲渡所得が3,000万円以下なら、適用条件を満たしてこの控除を使うことで、マンション売却分については所得税・住民税ともにゼロにできます。都市部の築浅マンションでは、この特例だけで住民税の不安がほとんど解消されるケースも少なくありません。適用には確定申告が必須なので、「税金がかからなさそうだから申告しない」という判断は避けた方が安全です。

参照元:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm)

10年超所有の軽減税率と譲渡損失の特例

所有期間が10年を超える居住用マンションでは、「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」により、課税長期譲渡所得6,000万円以下の部分について、住民税の所得割率が通常の5%より低い4%になるなど、税率面で有利になる場合があります。3,000万円特別控除と併用できるため、長く住んだマイホームを売るときには検討する価値があります。

一方、オーバーローンなどで売却損が出る場合は、「マイホームの譲渡損失の損益通算・繰越控除」の特例が候補になります。条件を満たせば、売却損を給与所得など他の所得と相殺したり、それでも使い切れない分を数年間にわたって繰り越したりでき、結果的に住民税を含めたトータルの税負担を下げられる可能性があります。ただし、3,000万円控除や買換え関係の特例と選択適用になる部分も多く、金額が大きい場合は税務署や税理士に相談してから決めるのが安心です。

参照元:国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3305.htm)

参照元:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm)

まとめ

まとめ
マンション売却の住民税は
「いつ・どこに・いくら」を早めに把握

マンション売却で利益が出た年の住民税は、その年の1月1日時点で住んでいる自治体が翌年度に課税する仕組みで、売却後に引っ越しても課税先は変わりません。ふるさと納税や医療費控除なども、その年の所得の増減によって影響の出方が変わるため、「売却した年の所得全体」と「使えそうな控除」をセットで確認しておくことが大切です。
これから動く一歩としては、購入価格・諸費用・売却見込み価格から譲渡所得のベースと3,000万円控除後の金額、長期か短期かによる住民税の概算をざっくり試算し、金額が大きくなりそうなら早めに税務署や市区町村、税理士に相談しておくと、「売るかどうか」「いつ売るか」の判断や資金計画が立てやすくなります。